「AUDI e-bike worthersee」というスタイリッシュなデザインの電動自転車があった。
2輪車の主流が、エンジンからモーターに変わる時代も来るだろうか?
AUDI e-bike worthersee







「AUDI e-bike worthersee」で検索すると、2012年の5月頃に、日本でも紹介されている記事がヒットした。
2500ccエンジン級の大トルクでウィリー可能! Audiが放つ超ド級電動自転車「Audi e-bike Worthersee」 - GQ JAPAN
自動車メーカーが次世代モビリティを考える中で、自転車に注目しているケースが昨今数多く見られる。既存自転車メーカーとのコラボレーションなども見受けられる昨今だが、Audiは自社でウルトラ級の電動バイクを発表した。
スタイリッシュなフレームはカーボンファイバー(CFRP)製。リアサスペンションを持つMTBタイプのフレームとしてかなり軽量で、単体重量はわずか1,600gに抑えられている(前後ホイールもカーボンファイバー製)。
リアホイールはチェーンで駆動されるがフレーム中央下部(専門用語でいうところのBB部分)にモーターを配し、BBシャフトでダイレクトに駆動。つまり電動自転車である。驚くのはそのパワーというかトルクで後輪計測(チェーンでの減速後)での最大トルクは250Nm。ちなみにこの数字は一般的なガソリンエンジン自動車でいうと2,500ccに相当し、アウディにおける「Audi TT Coup」とほぼ同等。もちろんモーターそのものがそれだけのトルクを持っているわけでも、常時そのトルクで走るわけではないが、それだけのポテンシャルを秘めているのは事実というわけだ。
この超強力なパワーパックを制御するのは3つのモード。モード選択はハンドルに備わったスマートフォンで行われる。“Pure”モードはライダーがペダルを漕いで進む、いわゆる通常の自転車モード。“Pedelec”モードはモーターアシストが行われ、最高速度は80km/hが可能(この時の航続距離は50km~70km程度)、「eGrip」モードはモーターだけで走り、最高時速は50km/h。
面白いのは「Wheelie」モードが搭載されている点。文字通り前輪を上げて後輪のパワーだけで走行するウィリーが誰でも転ばずにテクニック要らずでできるという。ここからは想像の域ではあるが、モーターのトルクを緻密に制御する(前輪が下がり始めたらパワーを上げて、上がりすぎたらパワーを下げる)ことで転ばないようにしているはず。つまりセグウェイなどと似たようなロジックの制御を入れているのではないだろうか。テクノロジーの恩恵で誰でも練習せずとも憧れのウィリー走行ができるわけだ(近所の子供たちのヒーローになれること間違いなし)。
ドイツのBoschがドイツ系の各社と協業し、電動バイクの主要部品の規格化を狙ったりと今、アメリカ、ヨーロッパでは電動バイクの開発が盛んに行われている。
欧米(特にヨーロッパ)でこの手の電動バイクの開発が盛んなのは、戦後からあったモペッド(ペダル付きオートバイ)の文脈で考えると分かりやすい。モペッドのガソリンエンジンがモーターになってモダナイズ、高性能化したというなじみあるマーケットの進化系というわけだ。
2012年05月29日
日本のホンダは、2輪車も4輪車も、さらには飛行機も作れる。
もちろん、電動自転車も作っていた。
そんなホンダなら、AUDI e-bike wortherseeのような自転車を作る技術を持っているだろう。
スーパー自転車とでも呼ぶべきか:アウディの電動アシスト自転車が爆走、最高時速80kmで5つの走行モードを選択可能 - MONOist(モノイスト)
アウディが開発した電動アシスト自転車のコンセプトモデル「Audi e-bike Worthersee」は、最大出力2.3kWのモーターを搭載しており、最高時速80kmで走行することができる。実機を使ったスタント走行の映像も公開された。
Audi(アウディ)は2012年5月11日(欧州時間)、電動アシスト自転車のコンセプトモデル「Audi e-bike Wörthersee」を発表した。
Audi e-bike Wörtherseeは、スタントやスポーツ走行向けに開発された電動アシスト自転車である。ハンドル、フレーム、ホイールなどに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用して車体重量を大幅に軽量化するとともに、最大出力2.3kWのモーターや、容量530Whのリチウムイオン電池から構成される電動システムも搭載している。電動システム以外の車体重量は11kg、電動システムを含めた総重量は21kgである。
スタントやスポーツ走行を行うために5つの走行モードが用意されている。「Pureモード」は、電動アシストを使用しない。電動アシストを使用する「Pedelecモード」は、最高時速80kmが可能で、電動アシストは50~70km程度持続する。「eGripモード」は、モーターだけで走行するモードで、最高時速50kmとなっている。「Wheelieモード」では、前輪を浮かせて走るウィリーやバック走行を容易に行えるように、電動システムが操作をアシストしてくれる。「Trainingモード」は、トレーニング走行用のモードになっている。
なお、これらのモードは、ハンドル中央の下部に設置されているサイクルコンピュータを使って選択する。また、このサイクルコンピュータは、スマートフォンとWi-Fi接続で連携する機能も備えている。
また、5月16日(欧州時間)からは、Audi e-bike Wörtherseeのスタント走行映像がYouTubeで公開されている。バイクトライアル選手のJulien Dupont氏が、走行モードを変えながら街の中を走行する映像だ。
ウェット・カーボンではなく、ドライ・カーボンを扱う設備があれば、自作できそうだな。
ドライカーボンとは - はてなキーワード
カーボン繊維を用いたFRP素材(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)の成形工法の一つ.樹脂を含ませたカーボンクロスを型に貼り,高温・高圧で焼き固める工法で,レーシングカーや航空宇宙部門の部品にも使われている方法である.
強度を保ったまま超軽量製品の作成が可能になるという利点を持つ.しかし,高温・高圧で成型する専門設備が必要なことと製作工程に手間がかかることで,製作コストが非常に高くつくという欠点がある.
ウェットカーボンとは - はてなキーワード
カーボン繊維を用いたFRP素材(CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics)の形成工法の一つで,カーボン繊維に樹脂を塗りこんで自然乾燥させて形成する方法のこと.一般的な FRP素材として知られるガラス繊維を用いるFRP(GFRP)と基本的に同じ製法である.一般向けの自動車パーツとして市販されているカーボン製品のほとんどは,この製法で形成されている.
もう一つの CFRP形成工法であるドライカーボンと比較して,製作工程が簡単で専門設備が不要であり,GFRPに近い低コストで形成可能なことが大きな利点である.しかしながら,製法上,ドライカーボンほど重量が軽くならず強度も高まらないという欠点がある.