アレクセイ・ナバリヌイ(Alexei Navalny)という男性で、35歳の弁護士だ。

<ロシア>35歳ブロガー脚光 政権汚職追及運動を展開 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
毎日新聞 1月22日(日)12時19分配信
【モスクワ田中洋之】ロシアで3月4日の大統領選を前に盛り上がっている反政府運動のシンボルとして、モスクワ在住のブロガー、アレクセイ・ナバリヌイ氏(35)が注目されている。英紙タイムズがこのほど発表した「今年注目される世界の100人」にロシアから唯一選ばれ、「バーチャルな世界から政界に出て、将来は大統領になる可能性がある」と指摘されている。
弁護士のナバリヌイ氏は2年前から自分のブログで政権の汚職を追及するキャンペーンを展開。昨年12月の下院選では、大統領復帰を狙うプーチン首相(59)が率いる与党「統一ロシア」を「ペテン師と泥棒の党」と名付け、他党への投票を訴えた。これがネットを通じて全国に広がり、与党の大幅議席減につながったといわれる。
ナバリヌイ氏は下院選の不正疑惑でも抗議行動の先頭に立って治安当局に拘束され、釈放時には大勢の市民に出迎えられて一躍「時の人」となった。昨年末の英BBCとのインタビューでは「プーチン体制を変えなければならない。それは我々次第だ」と強調。ロシアで自由かつ公平な選挙が実施されるのであれば大統領選に出馬する用意があると語った。
そういえば、大阪市の橋下徹市長も弁護士だったな~。
法律のスペシャリストは、社会のルールを変えていく訴求力を持っているのかな?
Alexey Navalny - Wikipedia
Alexei Anatolievich Navalny (Russian: Алексей Анатольевич Навальный, born June 4, 1976) is a Russian lawyer who in recent years has gained prominence amongst Russian bloggers and mass media due to his social campaigning activity.
アレクセイ・ナバリヌイ(Alexei Navalny)氏のサイト
Navalny's site (Russian)
http://navalny.ru/
Navalny's blog (Russian)
http://navalny.livejournal.com/
Navalny's blog translated to English, since 6-Dec-2011 (English)
http://navalny-en.livejournal.com/
「ソーシャルメディアが変えるロシア」 | ほっと@アジア 「ピックアップ@アジア」 | 解説委員室ブログ:NHK
2012年01月12日(木) 石川一洋 解説委員
去年12月24日、モスクワのサハロフ通りに7万人以上の大群衆が集まりました。
プーチン体制に抗議する人々です。
人々を結びつけたのはソーシャルメディアです。
「テレビは本当のことを伝えていないので、ソーシャルメディアで情報を集めます」
ロシアでは今インターネット人口が急激に増える中で
ロシア独自のソーシャルメディアの影響力が急速に拡大。
インターネットによって抗議集会を動かすネット界の寵児も生まれています。
ブロガー・アレクセイ・ナヴァリヌィ
「我々に属しているものを取り戻そう」「イエスかノーか」
「イエスだ」
広がる反プーチンの動きにクレムリンも・・・・
自由化に向けた政治改革を表明
そして重大な人事異動。
三月の大統領選挙に向けてロシアは大きく揺れ動いています。
「ソーシャルメディアが変えるロシア」
吉井)石川さんは12月24日の集会を現地で取材したそうですが、どのような状況でしたか。
石川)この集会には参加しなければという気持ちで自発的に人々が集まってきました。入り口でどのくらいの人が参加したのか調べた世論調査機関によりますと、参加者の数は7万人を超えています。
私が印象に残ったのは人々が抗議することを恐れなくなったことです。選挙の不正を検察に告発しようという署名も行われていましたが、多くの人が住所、パスポート番号を書いて署名に応じていました。そして政権の情報操作や上から目線で国民の意見を聞かずに決定を押し付けるやり方にもう堪忍袋の緒が切れたと怒りをあらわにする人が多かったのです。
「もう我慢ができません。政府は私たちの意見を聞こうとしません」
「私の一票は泥棒政府が盗んだのです」
「もはや上から管理されるのはうんざりです。大統領と首相が勝手にポストを交換するなんて余りにも人を馬鹿にしています」
「プーチンは何年も大統領をやったのに、メドベージェフの後またやるなんておかしい」
吉井)なぜ、どのようにしてこれほどの大集会が可能となったのですか。
石川)ソーシャルメディアが人々をつなげるネットワークとしての役割を果たし、ソーシャルメディアが組織した抗議集会と言えます。
抗議集会にはたとえばステージを造ったり、広場全体に聞こえるように音響設備を整えたり、映像を流す大型スクリーンを揃えたり、資金は必要ですが、ソーシャルメディアの送金システムを使った募金で費用を集めました。
また会場では多くの人が、自ら携帯電話やカメラで撮影したり、参加者に意見を聞いたりしていました。
○なぜ撮影しているのですか?
「ソーシャルメディアに投稿して、この会場に参加できなかった人に事実を伝えるためです」
「プーチンやメドベージェフの顔をもう見たくない。インターネットで真実を見つけています。テレビは嘘ばっかりです」
「テレビでの情報は少なすぎます。特にデモなどの社会情報は出てきません。ですからインターネットやソーシャルネットワークで情報を得ます」
プーチン政権は全国ネットのテレビを支配して、管理することで国民の支持を高めてきた面があるのですが、インターネットの普及でその情報の独占が崩されています。そして政権と癒着したテレビが信用を失い、人々はますますソーシャルメディアに頼るようになっています。ソーシャルメディアがロシアの抗議行動の道具となり、基盤となってきています。
吉井)どんな人たちがこの集会に参加したのですか
石川)ロシアの世論調査研究所が集会の参加者にアンケート調査をしました。
○年齢は若者から高齢者まで万遍なく参加し、男女の割合ですと男性が多くなっています。
○高学歴な人が多く、職種では専門家、IT産業の技術者など、それなりの腕やプロの技量を持っている人が多数を占めています。それから企業のマネージャーや経営者も多くなっています。
○政治的な傾向では民主派、リベラル派が多くなっていますが、左派や民族主義者も参加しています。
○またどこから今回の集会のことを知ったのかという問いに対しては、インターネットを通じてが、テレビや新聞など既存のメディアよりも圧倒的に多くなっています。
友人や隣人、知人などからの口コミで誘われたという人が多い点も注目すべきことです。
○そして生活レベルで見ますと、車を買うことが可能など中間層以上の人が多く参加しています。
集会ではこれまでは、アフター5の楽しみ方やグルメなど生活情報やエンタメ中心の雑誌の記者も積極的に取材をしていました。
雑誌ボリショイゴーラド(大都会)記者
「私たちの読者は中間層ですが、彼らの政治への関心が急速に高まっていますので、私たちも読者の要望に応えるために政治特集の記事を増やしています」
吉井)ロシアでソーシャルメディアはそれほど盛んなのでしょうか。そしてどんな特徴があるのでしょうか。
石川)いまやドイツとともにヨーロッパで最大規模のインターネット市場で、インターネット人口が5000万人を超えたというデーターもあります。年々10パーセント以上増え、急速に成長しています。
ロシアのインターネット社会、特にソーシャルメディアはRu・netルネット文化、ルネットコミュニティーと言われていて独特の世界なのです。ルネットとは、日本ではJPですがドメインがruのネット社会という意味です。言語的にはロシア語が中心なのですが、まずはロシアの言論全体の中でもっとも規制が少なく、もっとも自由が保たれているコミュニティーです。
GoogleやFacebook、twitterのように全世界的なプラットフォームに対してロシア独自のプラットフォームが健闘しています。たとえば交流サイトではВконтакте やОдноклассники 検索サイトではЯндекс といったロシア独自のプラットフォームです。ITの分野は国際競争の中で、ロシアでもっともイノベーションが進んでいる分野です。IT分野で働く人やソーシャルネットワークを使いこなす人々はこうした自由な雰囲気を大事にしている人が多く、プーチン的な垂直統治システムが及んでいないコミュニティーと言えます。
吉井)ソーシャルメディアの広がりは全国的な反プーチンの抗議行動の広がりにも関係があるのでしょうか。
石川)あります。そもそも今回これほど抗議行動が広がったのは、既存の野党勢力ではなく、ルネット界のヒーローと言われる一人のブロガー・アレクセイ・ナヴァリヌィの活動がありました。
Вконтактеにロスピルという汚職追及のグループページを開設しました。参加者が11万人を超えています。すべて実名での参加者です。そしてさらにそのページを見てみますと、ウラジオストクのロスピル、エカテリンブルグのロスピルなど各地に支部のようなそれぞれの地方のページができていてそこに数百人単位で参加しています。すでにこのサイトをきっかけに全国にソーシャルメディアによって大きな組織が出来つつあるのです。
それぞれのソーシャルメディアでの役割分担もあります。交流サイトは人を集めて、グループを作る、ライブジャーナルなどの日記サイトはナヴァリヌィなどの活動家が日記やブログの形で記事を書く、それが交流サイトやtwitterに転載される、さらに映像はyoutubeなどの動画サイドに掲載され、それがさらに転載される、ソーシャルメディアが友達の友達は友達だという原則でネットワークを広げる役割を果たしているのです。
吉井)抗議行動の中心となったナヴァリヌィとはどういう人物なのですか
石川)まだ35歳で、弁護士です。リベラル派の野党の活動家で、デモなどを組織していましたが、ナショナリズムに同調する傾向もあり、愛国主義勢力からも支持を集めていました。
その後はロシアの大企業に対して少数株主の利益を守れという立場から、非合理的な経営や支出を追及する活動で名をあげ、そして一昨年汚職追放サイト・ロスピルを開設して、全国的な知名度を得ました。既存の野党やリベラル派政党がプーチン体制の前に無力感に囚われていた時に、ナヴァリヌィは選挙に参加してどの党でもよいからプーチン与党以外の政党に投票しようと劇的に戦略を変えたのです。
24日の集会でも演説しましたが、私は群衆の反応を見るために集会の後ろの方でナヴァリヌィの演説を聞いていましたが、なかなか人を動かすカリスマ性がある。アジテーターとしての才能がある。しかし同時に権力を脅したり、妥協の余地を残したり、政治家としての頭の良さがあると感じました。
ナヴァリヌィ「ロシアの憲法を見てみよう。権力の源泉は国民と書いている。権力は誰だ」
聴衆「我々だ」
世論調査研究所が集会参加者に聞いたアンケート調査でも大統領候補として最も多くの支持を集めたのはナヴァリヌィ氏でした。これまでロシアの政治家といいますと、90年代の政治家かプーチン氏やメドベージェフ氏のようにプーチン氏に引き立てられた政治家しかいなかったのですが、下からたたき上げて生まれてきた新しいタイプの政治家で、彼の言動が抗議集会を動かすだけでなく、ロシアの政治全体に影響を与えるようになるでしょう。
吉井)今後ナヴァリヌィ氏はどう動こうとしていますか。
石川)新年早々話題をさらう対談がソーシャルメディアのライブジャーナルに発表されました。
ロシアの人気作家で反プーチンに参加しているアクーニン氏がナヴァリヌィ氏にナショナリズムとの関係や今後の戦略など様々な疑問点を聞くという形式です。
この中でナヴァリヌィ氏は大衆を動員して、プーチン首相を追い詰めていくという方針を明らかにしています。徹底してプーチン氏自身の腐敗を宣伝し、彼の支持率を下げることで、政治的な妥協に追い込むという戦術です。プーチン首相にとって今一番手ごわい政敵は、一年前はルネット社会の一介のブロガーに過ぎなかったナヴァリヌィ氏といえます。
吉井)クレムリンはどのように対処しようとしているのでしょうか。
石川)年末メドベージェフ大統領は大統領としての最後の年次教書で重要な政治改革を発表しました。特に重要なのは、政党の登録条件の緩和と知事の公選制の復活で
○政党の登録はこれまで10万人以上の党員が必要でしたが、500人の党員名簿で良いとして大幅に緩和され、これについてはすでに法案として提案されています。
○知事は、今は与党の推薦に基づいて事実上大統領の任命制ですが、これも知事が住民の直接選挙で選ばれ公選制を復活するとしています。
マトビエンコ上院議長「民主化、自由化に向けた新たな段階に入りました。新たな自由化への時期が熟したと言えます」(1月10日ホテルニューオータニ記者会見)
吉井)抗議集会が政権を動かしたと言えるのでしょうか。
石川)その通りです。そしてクレムリン内部の人事でも重要な動きがありました。12月終わりにこれまで内政を担当していたスルコフ大統領府副長官がクレムリンを離れ、経済問題担当の副首相に転出しました。ロシア内政的にはここ数年で最大の事件と言えます。スルコフ氏はプーチン氏、メドベージェフ氏を支え、管理された民主主義や垂直統治システムと言われる中央集権的な統治システムを作り上げ、そのシステムを動かしてきました。
そのスルコフ氏が内政から異動したことは、ロシアの政治体制は、プーチン氏が大統領に復帰するしないにかかわらず、変化しつつあることをしめしています。
反プーチンの大規模な抗議集会は、すでにプーチン体制を大きく揺るがしていると言えます。
アレクセイ・ナバリヌイ氏には、KGB出身のプーチン大統領に暗殺されないよう、気をつけていただきたい。
アンナ・ポリトコフスカヤ - Wikipedia
アンナ・ステパノーヴナ・ポリトコフスカヤ(Анна Степановна Политковская, Anna Stepanovna Politkovskaya、1958年8月30日 - 2006年10月7日)はロシア人女性のジャーナリスト。
ノーヴァヤ・ガゼータ紙評論員。
第二次チェチェン紛争やウラジーミル・プーチンに反対し、批判していたことで知られている。
2006年、自宅アパートのエレベーター内で射殺された。
![]() | ロシアン・ダイアリー―暗殺された女性記者の取材手帳 アンナ・ポリトコフスカヤ 日本放送出版協会 2007-06 ★★★★★ |
アレクサンドル・リトビネンコ - Wikipedia
アレクサンドル・ヴァリテラヴィチ・リトビネンコ(ロシア語:Александр Вальтерович Литвиненко、1962年8月30日 - 2006年11月23日) は、ソ連国家保安委員会(KGB)、ロシア連邦保安庁(FSB) の職員だったロシアの人物。
当時の階級は中佐。
後にイギリスに亡命しロシアに対する反体制活動家、ライターとなった。
2006年、何者かに毒殺された。
![]() | リトビネンコ暗殺 アレックス・ゴールドファーブ 早川書房 2007-06-23 ★★★★★ |
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